『おもしろき こともなき世を おもしろく』
「おもしろき こともなき世を おもしろく」これは幕末の志士・高杉晋作の辞世の句です。この句にはいろいろな解釈がありますが、私は彼の生きざまから「気に入らないこの世の中、自分の手で良いものにする」という意味で詠ったものだと思います。
自動車業界の現状としては、乗用車の世帯普及率が平成3年を境に80%でほぼ頭打ちになっており、今後は少子化による世帯数の減少、さらに若者の自動車離れもあり、自動車の国内需要の増加は望めそうにありません。まさに「おもしろき こともなき世」だと思います。しかし、近い将来自動車業界が完全に無くなってしまうことは考えにくいのも事実です。私たち滋賀県自動車青年会議所は、この苦しい状況を逆に可能性と捉え、新しい時代を切り開き、各事業所の発展、さらには自動車業界の発展に繋げて行かなければなりません。まさに私たちの手で「おもしろき こともなき世を おもしろく」して行かなければならないのです。そのためには会員各々の成長が必要不可欠であり、本年度は『会議力の向上』『会員拡大と交流の発展』『経営力の向上』の三本柱で活動してまいります。
私たちの会は会議所という名称がついています。規律のある理事会や委員会を運営し、積極的に議論を交わし、会議の進行能力・質問能力・答弁能力を身につけ互いに磨き合いながら『会議力の向上』を目指します。また、活発に会員交流事業を行い強固な組織を築くことで、仕事やプライベートでの悩みや迷い等の相談・情報交換が出来、さらに新たな会員を増やすことでその交流の幅を広げることにより『会員拡大と交流の発展』を目指します。そして、我々がこの時代に生き残るため、地域においてナンバー1になれる経営戦略の方法を学び、さらに新しい技術への対応ができる研修を行うことで『経営力の向上』を目指します。
この三本柱により、会員各々が成長し、各事業所がさらに発展出来る知識を身につけ実践することで、この苦しい状況に立ち向かって行きます。そのため、青年会議所の要である総会・理事会を運営する「総務委員会」、会員同士の交流と新たな仲間を増やす「会員交流拡大委員会」、各事業所が発展する為の経営研修を企画・運営する「経営研修委員会」、さらに次年度は滋賀県自動車青年会議所が創立30周年を迎え、その準備を行う「30周年準備委員会」の4委員会で構成します。
平成25年度、我々は会員一人一人の成長と、滋賀県自動車青年会議所の発展、さらには自動車業界の発展に繋げ「おもしろき こともなき世を おもしろく」して行くよう、会員一同情熱を持って邁進して行く所存でございます。
最後に先輩諸兄のより一層のご指導と、会員各位の友情と情熱を切にお願い申し上げ、新任のご挨拶といたします。
平成25年4月
滋賀県自動車青年会議所
第29代理事長 西村拓郎
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