『先義後利(せんぎこうり)』
昨年の世相を言い表す漢字として『偽』が発表されました。有名な企業と思われるところでも、経営者が自ら世間の常識を逸脱し、自分勝手な解釈で信用を大きく損ないました。我々もこれを他山の石としてより一層信用を高めることが重要です。
今年度のテーマに『先義後利』を掲げました。これは会社の利益は顧客(相手)満足・社会貢献を前提とし信頼を得ることでもたらされるという事です。最初から儲けを目指し行動するのではなく、まず義を尽くせばその結果おのずと利益がついてくるという考え方です。我々は、自動車の安全・安心・快適に携わるものとして、お客様に喜んでいただける商品・情報発信を提供して最大限満足していただく、また素直な心で、来ていただいたお客様には実意丁寧におもてなしをすることが健全な商売繁盛の道であると考えます。
また、現在のITの進歩は、我々の業界にも多くの変化をもたらしています。反面、我々の商売の根幹とする人の結びつきが薄くなったのも事実で、看過できない問題になっています。
そこで、我々滋賀県自動車青年会議所の活躍の場があるのではないでしょうか。当会議所の魅力は同業種・同地域・同世代の青年経営者が集まり、自由闊達な議論や交流・情報交換をしながら事業を重ねてきたことです。一人では、一社では出来ないことが出来る貴重な場となり、その過程で会員が一致協力して取り組むことで信頼できる仲間ができます。そのつながりをもっとオープンにし、会員拡大することで更に情報量を増やして、商売繁盛につなげていきたいと思います。
今年度の組織は、品位の高い総会や自由に議論できる理事会を運営する総務委員会、お客様満足度の高い商品や情報を提案するための整備情報委員会、会員交流と拡大を行うためのネットワーク委員会の三委員会と近畿地区自動車青年協議会事業を担当する近青協実行委員会、近青協情報委員会で構成し活動します。会員にはそれぞれの事業の計画立案から実行・報告まで十分に携わっていただき、達成感の得られるものとしていただくため、委員長には素案を考え、副委員長はそれを補佐し、副理事長は違う角度から検証し、委員にはその過程に参画することがそれぞれの役目です。何事も準備が大切でそれに漏れがなければ多少の想定外にも対処できると思います。
そして、今年は四年に一度の近青協合同例会の主幹を当会議所が担当します。大きな事業の一つで会員には大変ご負担をかけると思いますが、滋賀県自動車青年会議所の性能を知らしめる良い機会です。この機会をそれぞれが参画意識を持って経験することで人として成長することとなり、人と人との交流や自由に意見をぶつけていくことで滋賀県自動車青年会議所を盛り上げて活動していきましょう。
最後に先輩諸兄のより一層のご指導と、会員各位の団結を切にお願い申し上げます。
平成20年4月
滋賀県自動車青年会議所
第24代理事長 大野 敬司
※「先義後利」とは中国の儒学の祖の一人、荀子の栄辱の編の中にある「義を先にして利を後にするものは栄える」から引用したもので、現在の言葉では相手主義・社会への貢献のことです。義とは人の道のこと。正義と道理、信義、仁義、道義、礼儀
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